ファウンダー/ハンバーガー帝国のヒミツ

WHO IS RAY KROC/レイ・クロックとはレイ・クロックとは

マクドナルドの“創業者”、 レイ・クロックの 劇的人生

世界No.1の外食チェーン“マクドナルド”。世界各地で光り輝く黄金のMサインは、笑顔と幸福を運ぶアーチであり、明るい未来のシンボルでもある。そんな世界屈指のブランド マクドナルドは、たったひとりの中年男の”ひらめき”から始まった。当時52歳だったレイ・クロックの、ほとんど妄想としか思えないような”ひらめき”から。しかしレイにとってそれは決して根拠なきものではなかった。彼には確信があった。マクドナルドは必ず人々の生活の一部となり、社会の発展に欠かせない存在になると...。

少年時代

レイ・クロック(Ray Kroc)は1902年にシカゴ郊外の町に生まれた。クロック家はチェコ系移民で、ボヘミアの血を誇りとする一家だった。そしてその血はレイ少年の人生に色濃く影響を与える。多くの人がもつボヘミア人のイメージ定住性に乏しく、異なった伝統や習慣を持ち、周囲からの蔑視をものともしない人々とは、まさにレイ・クロックそのものなのだから。自身の苦労から「せめて高校までは…」と願った父の思いも空しく、レイは学校に定住することができなかった。アメリカが第一次世界大戦に参戦すると、15歳だったレイは年齢を偽り軍に志願。負傷者搬送トラックの運転手として渡欧しようとする。しかし出航直前に終戦し、学校へ連れ戻されてしまった。しかし、レイはそんなことでは決してめげない。高校1年の時に友人と共同で出資し、町に楽器店をオープンさせる。目玉は彼のピアノ実演。クロックはピアノ教師だった母親ゆずりの名手だったのだ。楽器店経営が上手くいかず店を畳むと、セールス業に転身。訪問販売で目覚ましい実績をあげる。高校2年生にして父の収入を超えるほどの大金を稼ぎ出した。ここに彼は己の天職を知る。狙いを定め、周到な準備をし、懐に飛び込み、弁舌巧みに自分の論理に相手を誘導する…。世界に黄金のダブルアーチを架けた男レイ・クロックの誕生である。

二足の草鞋時代

紙コップのセールスマンとして働き出したレイは、夜もピアノマンとして精力的に活動した。ナイトクラブで演奏し、地元ラジオ局の人気音楽番組も担当する。演奏はさることながら、軽妙な会話でも人々を魅了した。ここでレイは、客のリクエストに対して臨機応変に対応し、相手が期待していた以上のものを返すというサービスの極意を身に着ける。紙コップのオフシーズンとなる冬は、南国フロリダへ出稼ぎに行った。禁酒法の目をかいくぐり密かに酒を提供するもぐりのナイトクラブで演奏していた時も、レイはマクドナルドのアイデアの元を得ている。

そのクラブでは、あらゆる種類の酒が均一の値段で売られていた。そしてフードメニューも3種類のみ。今でいうワンコインバーだ。レイはその簡素化されたシステムに感心する(当局のガサ入れ対策のためのシステムだったのだが…)。のちに外食チェーンマクドナルドを創業し、同社の最大のモットーとして掲げた“愚直なほど簡潔に”(Keep it simple, stupid.)の原点は、こんなところにも隠されていた。どんなものでも素晴らしいと感じたことからは素直に学ぶ。天性の商売人レイ・クロックは、こうして飽くなき成長を続けていく。ちなみにこのフロリダ時代では、最後にガサ入れで留置所送りになってしまうというおまけ付きであった。

マルチミキサーセールスマン時代、
そしてマクドナルドとの出会い

シカゴに戻ったレイは紙コップセールスマンとして地位を確かなものにし、大恐慌の混乱も乗り切った。生活も安定し豊かになり、他者からは成功者として見られる存在となる。だが彼はそこに満足することはなかった。レイが次に目を付けたのは、ミルクシェイクが同時にいくつも作れる最新式のマルチミキサー。そこに可能性を信じたレイは会社を立ち上げ、セールス活動に没頭する。重いミキサーを抱え、毎日営業に駆け回る。電話があればどこへでも駆けつけた。肉体的にも精神的にも過酷な日々だ。マクドナルドとの運命の出会いの日までに、彼は糖尿病と関節炎で胆嚢を全摘出し、甲状腺の大半を失っていた。しかしレイはビジネスの前線に立ち続けた。

そして1954年、運命の瞬間を迎える。

「カリフォルニアの片田舎に、マルチミキサー8台をフル稼働させている“変わった店”があるらしい」

そんな噂を耳にしたレイは、すぐさまカリフォルニアへ飛ぶ。そこで見たものは、彼に衝撃を与え、後の人生を大きく変えた。こうしてマクドナルド神話が始まった。レイ・クロック、52歳の時である。

レイ・クロック語録

愚直なほど簡潔に。Keep it stupid. 継続に勝るものはない。

未来を拓くのは君自身なのだ。一度に一つのことしか悩むな!人は考えた通りの自分になる。

勇気を持って、誰よりも先に、違ったことをしよう。チャレンジシない限り、決して成功は無い。あきらめず頑張り通せば、夢は必ず叶う。

『成功はゴミ箱の中に 
レイ・クロック自伝』
レイ・クロック/ロバート・アンダーソン共著
野崎稚恵 訳 野地秩嘉 監修・構成
プレジデント社 1,429円+税
『成功はゴミ箱の中に』レイ・ロック自伝

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